びわ葉の効能について

1. びわ葉の効能

ビワはバラ科の植物で、アンズ、モモ、リンゴ、ナシ、サクラなどの仲間です。
ビワの葉の成分としては、ブドウ糖、蔗糖、果糖、マルトース、澱粉、デキストリン、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アミグダリン、タンニン、サポニンなどがあります。
1950年、米サンフランシスコの生化学者、アーネスト・クレブス博士はアンズの種子(杏仁)からアミグダリンを抽出し結晶化して「レートリル」と名付け、ガンの治療に使用しました。この治療法は「ビタミンB17療法」と呼ばれています。
クレブス博士は、食生活の偏りによるアミグダリンの欠如が代謝活動に異常をもたらし、これが免疫力・抗菌力の低下につながり、ガンだけでなく心臓病・糖尿病など成人病の原因になると指摘しています。
アミグダリン(B17)を多く含むものとしては、アンズの種、ビワの種、ビワの葉、梅の種、アーモンド、アルファルファ、プルーン、たけのこ、玄米、大豆、小豆、蕎麦、ゴマなどがあります。長寿国フンザ王国の人々がアンズの種を大切にしていたことは広く知られているところです。ビワの葉にはアミグダリンが20ppm含まれています。


2. びわ葉の薬理作用

2-1 アミグダリンが奏功するメカニズム
アミグダリンが体内に入ると、がん細胞の中に多量に含まれているベータ・グルコシターゼという特殊酵素によって加水分解され、青酸とベンツアルデヒドとが遊離します。
がん細胞はこの二つの物質の相乗毒性により破壊されてしまうのですが、正常細胞にはローダネーゼという保護酵素があって両物質を無害な物質に変えてしまうため影響を受けません。
顕微鏡で見ると、ガン細胞がまるで殺虫剤をかけられたハエのように死んでいくそうです。
また、アミグダリンが分解されて出来る安息香酸は、「抗リウマチ」「殺菌」「鎮痛」に効果を発揮するそうです。
中でも鎮痛作用は絶大で、末期ガンの痛みを和らげたり、神経痛や捻挫の痛みなどにも効果を上げています。

2-2 びわの葉の4つの効果
以上、ビワの葉の効果をまとめると、以下のとおりとなります。
 @. 抗ガン作用
 A. 鎮痛作用
 B. 殺菌作用
 C. 血液浄化作用

3. 大学での研究成果

3-1 安田博士の驚き
昭和初期、大阪大学での研究で安田寛之博士は「血液の酸塩基平衡説」を説かれた大阪大学病理学教室の片瀬淡教授のもとで、びわの葉療法で体重600g家ウサギの濁った血液がわずか五分間で弱アルカリ性の血液に浄化されたという研究を発表されました。
そしてこの研究は、ビワの生薬75gを金属製の円筒の中に入れて加熱し、そこからビワの葉の成分を含んだ蒸気を導き出し、体毛を短く刈った家ウサギの腹部に約9cmのところから吹き付けるという方法で、これにより、家ウサギの濁った血液がわずか5分間で弱アルカリ性に浄化されたというのです。
さらに30日間施術したところ、骨組織もしっかりし、体内臓器も健康になり、体重も増加したそうです。昭和十二年「血液酸塩基平衡ヨリ観タル枇杷葉療法」という論文で発表されています。

3-2 小沢教授の事例
同じく大阪大学の小沢凱夫教授のもとでは、びわの葉療法でペニスガンの患者が治癒していく様子が明らかにされました。 雑誌「人間医学」に「私は、標本の作りやすいペニスガンの患者をさがしてきて、大阪大学・小沢外科に入院させた。
びわの葉療法だけで治療し、小沢先生には指一本触れさせず成りゆきだけを見守ってもらった。背筋、腹、局所の順で一日三回一時間ずつ治療し、一週間ごとに組織を取って写真標本を作ったが、その写真が四十九枚になった時、ガン細胞は全滅し、健康な組織が蘇ってきた。これには小沢先生もびっくりされた」と記載されています。

3-3 福島博士の論文
また札幌鉄道病院の物理科長を務めた福島鐡雄博士は、びわの葉の薬効について科学的解明に尽力されました。当時びわの葉療法で名高い静岡県引佐郡細江町にある定光山金地院の河野大圭禅師を訪ね、河野禅師の行うびわの葉療法の成果を総合月刊誌『日本及日本人』(昭和二年十月五日発行)に「皮膚を通して行う青酸療法(河野大圭禅師のビワ葉療法の紹介とその科学的研究)」と題する論文を発表されています。
「びわの葉には『アミグダリン』と『エムルシン』とが含有しており、葉の表面を火にあぶることによってアミグダリンとエムルシンが相応反応して微量の青酸が発生し、それが皮膚を通して吸収され、甚大な効果を発揮するものと考える」と述べられています。
(エムルシンとはベータグルコシターゼなどを含むアミグダリンを分解する複合酵素)

3-4 大塚敬節先生
昭和八年、東洋医学の権威としてよく知られる大塚敬節先生も、金地院の河野大圭禅師に会われその時の印象を次のように述べています。
「私の治療していた婦人の腹水がたったの一回、びわの葉でお腹 をなでただけで消えてしまったこともあった。
禅師の治療は、びわの葉に墨でお経の文句を書き、それを火鉢あぶりながら、まず患者の腹をさすり、次に、それぞれの患部をさするのであった。一人の患者の治療に要する時間は、二、三分であった。
この場合、びわの葉の効果の他に、禅師の精神力が病気の治療に大きく働いているように私には思えた。ところが、私はその後、ガンの患者で、胸部がひどく痛む者にびわの葉に墨を塗って火であぶり、患部を温めるだけで疼痛の軽くなるのを見た。もちろん、ガンが治ったわけではなかったので、その患者は死んだけれども、あの激しい痛みがびわの葉で軽くなったことは不思議であった」
(大塚敬節薯『漢方と民間薬百科』主婦の友社より)